江東区は東京23区の東部に位置し、隅田川と荒川、東京湾に囲まれた「水辺のまち」として発展してきました。

門前仲町にある富岡八幡宮や深川不動堂、亀戸の亀戸天神社など、数多くの寺社仏閣がこのエリアの古い歴史を物語っています。

一方、臨海部はオフィスやタワーマンションの開発が進むほか、2020年東京五輪の競技会場に指定された地区を含んでいます。

江戸の下町情緒と先進的な空気が漂い、子育て世代には魅力的な地区と言えるでしょう。

近年では若いファミリー層の流入が進み、爆発的な人口増加が続いています。

しかしそれゆえに、保育園の待機児童だけでなく小学校が足りないなどの問題も抱えています。

今回はそうした問題点も踏まえ、江東区でお子さんを小学校に通わせる際に知っておくべき「越境入学」制度と、同区内の小学校の特色をいくつか紹介していきます。

1.江東区の小学校に越境入学させる方法

江東区の小学校では、指定通学区域外の学校に通う「越境入学」が可能であり、「学校選択制度」として施行されています。

先述の通り、江東区は子育て世代の人口増加に伴い、小学校も増設の傾向があります。

そのため、各家庭が小学校ごとの特色を理解した上で、子どもの個性を生かす選択肢として導入されているのです。

ただし、必ずしも誰もが希望する小学校に入学できるわけではありません。

いくつかの規定があり、また期限内での手続きが必要となります。

次の項目で、直近の募集要項を参照に入学までの流れを確認していきましょう。

2.江東区の学校選択制度

ここから先は、江東区のホームページで公開されている「小学校入学までのながれ(http://www.city.koto.lg.jp/581101/kodomo/gakko/shuen/shogakko/6117.html)」、「学校選択制度の概要(http://www.city.koto.lg.jp/581101/kodomo/gakko/shuen/sentaku/6138.html)」を参照に、平成30年度入学の学校選択制度の流れを確認していきます。

未就学児がいるご家庭で、越境入学を視野に入れている場合は、入学予定年度の情報を正しく把握しておきましょう。

2-1.【小学校入学までのながれ(平成30年度入学の場合)】

① 平成29年9月下旬…「学校選択希望票」が各家庭に送付される(送付期間を過ぎてから江東区に籍を置いた場合は、学校選択制度適用の対象外となるので注意)

  • 通学区域外の小学校への入学を希望する場合、期限内に希望票の提出が必要
  • 通学区域の小学校(指定校)に入学を希望する場合、提出は不要

②11月10日(木)…「学校選択希望票」提出期限

③11月17日(金)…一次結果の公表(江東区ホームページ、各学校で掲示される)

④11月20日(月)〜11月24日(金)(※23日(木)は除く)…希望校の変更期間。②の期限までに通学区域外の「学校選択希望票」を提出できた場合、この期間に1回のみ希望校の変更が認められる。

⑤12月1日(金)…二次結果の公表(公表方式は③と同じ)

この時点で、希望校の志願者数が受け入れ可能な人数の範囲内であれば「当選」となり、めでたく入学が決定。あとは入学通知書が届くのを待つのみ。

志願者数が受け入れ可能な人数を超えた場合は「公開抽選」の対象となり、個別に「抽選実施通知書」が送付される。

⑥12月13日(木)…公開抽選

抽選結果は各小学校に掲示され、抽選対象者には個別で結果通知が送付される。

⑦平成30年1月18日(木)…補欠登録期限

この日までの変動要因を反映して最終繰り上げを行う。

⑧1月24日(水)…最終繰り上げ結果公表

⑨1月末…入学通知書送付

  • ⑧で繰り上げ当選した人…希望校の入学通知書が送付される。
  • ⑧で繰り上げ当選にならなかった人…指定校の入学通知書が送付される。

⑩4月…入学式

以上が江東区のホームページで公表されている、過去に実施された「学校選択制度」による入学までのスケジュールです。

2-2. 「学校選択制度」を利用して越境入学を希望する場合の注意点

これらを踏まえ、「学校選択制度」を利用して越境入学を希望する場合、次の2点に注意しましょう。

・「学校選択希望票」の提出期限を守る

お子さんの越境入学を視野に入れていても、期限内に「学校選択希望票」の提出ができなければ話になりません。

入学の前年度には江東区のホームページをこまめにチェックし、諸手続きの期限を守りましょう。

また入学前年度に江東区に転入される場合は、「学校選択希望票」が送付される期間までに住民票登録を済ませておくのが望ましいでしょう。

・前年度の入学データで、希望校の受け入れ可能人数と志願者数を確認する

年度によっては、通学区域内の子どもだけで人数がいっぱいになってしまい、越境入学の受け入れが困難な学校もあります。

江東区が発表している過去の入学データ(http://www.city.koto.lg.jp/581101/kodomo/gakko/shuen/sentaku/53876.html)を参照に、あらかじめ希望校への越境の難易度について予想を立てておきましょう。

3.江東区で有名な小学校

平成29年度の江東区立小学校の数は45校で、江東区が定める「こうとう学びスタンダード(http://www.city.koto.lg.jp/581502/kodomo/gakko/hoshin/documents/manabi-standard1.pdf)を教育目標に掲げています。

しかし、同区内でも学校によって大きくカラーが異なるものです。

ここから先は、江東区内でも特に有名とされる小学校4校をピックアップし、教育内容や校風などの特色を挙げていきます。

・明治小学校(http://meiji-sho.koto.ed.jp

門前仲町駅から徒歩7分の立地にあり、平成29年で創立145年を迎えた江東区で最も古い小学校です。

1886年に大正天皇が行啓された後も皇室とも深いゆかりがあり、1972年の創立記念式典には常陸宮正仁親王、平成14年の同式典には皇太子ご夫妻がご臨席されました。

数あるクラブ活動の中でもマーチングバンドは特に有名で、全国レベルの大会では常連校となっています。

伝統ある校風は「明治小ブランド」とも称され、「明治小に入学させたい」と近隣に引っ越してくる世帯もあるほどの人気です。

平成29年10月現在の全校児童数は1000人であり、江東区でも有数のマンモス校となっています。

・八名川小学校(http://yanagawa-sho.koto.ed.jp

地下鉄森下駅から徒歩7分の八名川小学校は、俳人・松尾芭蕉の関連資料を展示する「江東区芭蕉記念館」の近くにあります。

芭蕉ゆかりの地であることから、子どもたちの感性や日本語表現を高める狙いで、「俳句教育」を学校活動に取り入れています。

また平成23年には、近年文部科学省により推進されている「ユネスコスクール」に認定されました。

ユネスコスクールとは、「ESD(持続発展教育)」を教育方針に、地球規模で抱える諸問題について子どもたちが主体的に学び、国内外の盟友校との交流を深めながら、解決策について研究発表する活動を取り入れた学校のことです。

平成29年度の全校児童数は352人、学級数は各学年とも2クラスと江東区内でも比較的小規模ですが、それゆえに行き届いた教育指導、地域と一体化した学習姿勢が高い評価を得ています。

・豊洲北小学校(http://toyosukita-sho.koto.ed.jp

東京メトロ豊洲駅から徒歩3分の豊洲北小学校は、近年の豊洲エリアにおける児童数増加を受け、平成19年に近隣の豊洲小学校から分離する形で開校しました。

平成29年度の児童数は1061人で、全国でもトップレベルのマンモス校であり、まさにこの地域の人気ぶりを実感出来るほど活気にあふれています。

同区内でも富裕層が多く集まるエリアのため、塾や習い事に教育熱心な家庭の子どもが多く、半数以上の児童が私立中学に進学します。

進学に対するモチベーションを、より高く保ちたい家庭にはぴったりの学習環境といえるでしょう。

・有明小学校(http://ariake-sho.koto.ed.jp

こちらの小学校はりんかい線東雲駅、ゆりかもめ有明テニスの森駅からそれぞれ徒歩10分に位置しています。

開校は平成23年と新しく、同じ敷地内には有明中学校も同時に開校しています(小中一貫校ではありません)。

2020年東京五輪の競技会場に近いため、児童達にとってオリンピック・パラリンピックをより身近なイベントとして体感する「オリンピック・パラリンピック教育」を実施しています。

「東京五輪フラッグツアー」や、過去の五輪に出場経験があるアスリートの講演会など、五輪を切り口にした授業は、競技会場のご近所ならではといえるでしょう。

スポーツが好きな子どもはもちろん、そうでない子どもも、東京五輪を通して心身を実り豊かにする取り組みがされています。

4.江東区の区立小学校一覧

http://www.city.koto.lg.jp/shisetsuannai/kyoiku/shogaku/kuritsushogaku/index.html

  • 明治小学校
  • 深川小学校
  • 八名川小学校
  • 臨海小学校
  • 越中島小学校
  • 数矢小学校
  • 平久小学校
  • 東陽小学校
  • 南陽小学校
  • 川南小学校
  • 扇橋小学校
  • 元加賀小学校
  • 毛利小学校
  • 東川小学校
  • 豊洲小学校
  • 豊洲西小学校
  • 豊洲北小学校
  • 東雲小学校
  • 有明小学校
  • 枝川小学校
  • 辰巳小学校
  • 第二辰巳小学校
  • 第一亀戸小学校
  • 第二亀戸小学校
  • 香取小学校
  • 浅間竪川小学校
  • 水神小学校
  • 第一大島小学校
  • 第二大島小学校
  • 第三大島小学校
  • 第四大島小学校
  • 第五大島小学校
  • 大島南央小学校
  • 砂町小学校
  • 第二砂町小学校
  • 第三砂町小学校
  • 第四砂町小学校
  • 第五砂町小学校
  • 第六砂町小学校
  • 第七砂町小学校
  • 小名木川小学校
  • 東砂小学校
  • 北砂小学校
  • 南砂小学校
  • 亀高小学校

平成29年度の時点で、江東区には45校の小学校が設置されています。

そして平成30年4月には「江東区立有明西学園(https://www.city.koto.lg.jp/580106/20170321.html)」が開校予定です。

従来の小学校・中学校とは異なる「義務教育学校」という区分で、1〜6年生は前期課程、7〜9年生を後期課程とした独自のカリキュラムによる小中一貫教育を実施します。

有明地区の人口増加に伴い、既存の学校での児童受け入れが困難となったことが開校のきっかけですが、都内でもまだ数少ない小中一貫教育への先駆的なモデルとして、学習成果を江東区の学校教育に反映させるという点で期待されています。

5. まとめ

由緒ある歴史文化に東京五輪に向けての歓迎ムードが重なり、今後ますます注目を浴びる江東区。

現時点でも子育て世代の人口増加により、江東区の小学校は児童数が飽和状態の傾向にあります。

しかし、それによる学校数の多さも「学校選択制度」を利用すれば、子どもの個性を大いに伸ばす選択肢となりうるのです。

お子さんの就学前に早めの情報収集を心がけ、お子さんに合った学校選びにつなげることが、地域の教育活動の充実に向けてより一層期待されています。

 

おすすめの記事