東京23区の子育てしやすい環境の選び方

子育てしやすい街って、どんな条件があるでしょうか。

治安のよさ、買い物利便性、公園がたくさんあること、子育て支援策が充実していること…

共働きの方は、保育園の待機児童状況も気になるでしょう。

今回は、東京23区で子育てしやすい環境の選び方を紹介。

様々なデータから、東京23区の子育て環境を解説するので、きっと住みたい街が見つかりますよ!

1. 子育てファミリーが住みやすい環境

まずは、子育てファミリーが住みやすい環境を見てみましょう。

子育てファミリーにとって住みやすい環境とは、「安心して暮らせるか」「家計に優しいか」「便利に暮らせるか」という条件が挙げられます。

1-1. 治安

子育てをしながら安心してくらすためには、治安のよさは欠かせません。

治安の良し悪しをはかるデータとして、「犯罪発生率」があります。

犯罪発生率とは、その区で起きた犯罪件数を人口で割った数値です。

犯罪発生率が低いほど、治安のよい区ということになります。

<東京23区で犯罪発生率が低い区ランキング>

順位 犯罪発生率
1 文京区 0.57%
2 練馬区 0.62%
3 杉並区 0.62%
4 品川区 0.66%
5 世田谷区 0.66%
6 目黒区 0.67%
7 荒川区 0.70%
8 大田区 0.73%
9 江東区 0.74%
10 板橋区 0.74%

(表参照:東京都HP警視庁「平成30年区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」から作成)

犯罪発生率が低い区は、文京区・練馬区・杉並区と住宅街が多い区が並びます。

なかでも治安のよい文京区は、防犯カメラの設置にかかる費用の補助を行っており、犯罪抑止にも積極的に取り組んでいます。

1-2. 人口や住民層

子育てしやすい環境がある区には、多くの子どもが住んでいます。

子どもが多く住んでいれば子育て支援も充実し、さらに子どもが増えるというよい循環になるためです。

まずは総人口を見てみましょう。

<東京23区で人口が多い区ランキング>

順位 人口総数
1 世田谷区 908,907
2 練馬区 732,433
3 大田区 729,534
4 江戸川区 698,031
5 足立区 688,512
6 杉並区 569,132
7 板橋区 566,890
8 江東区 518,479
9 葛飾区 462,591
10 品川区 394,700

(参照:東京都の統計から作成)

面積の大きい世田谷区、練馬区、大田区が上位に並びます。

つぎに、人口のうち子ども(年少層:0~14歳)の占めるシェアが高い区を見てみましょう。

<東京23区で子どもの割合が多い区ランキング>

順位 0~14歳の人口シェア
1 港 区 13.6%
2 中央区 13.3%
3 千代田区 13.2%
4 江戸川区 13.0%
5 江東区 12.9%
6 文京区 12.3%
7 練馬区 12.0%
8 世田谷区 11.9%
9 葛飾区 11.7%
10 足立区 11.7%

(参照:「東京都の統計」第3-1表、区市町村、年齢3区分別人口(人口総数)

港区、中央区、千代田区と都心部が子どもの占める割合が高いことが分かります。

都心部ではタワーマンションが年々増えており、子育て中のファミリー層が多く入居していることもこの理由として考えられます。

港区では共働き世帯への支援も手厚く、保育園などに通う兄弟がいる場合、二人目から保育料が無料になるく独自の制度もあります

1-3. 病院(小児科)、医療費助成制度

子育て世帯にとって、病院が近くに充実しているかどうかは重要です。

とくに、子どもが小さいうちは風邪や病気になりやすく、予防接種も頻繁になります。

通いやすい場所に、自分の子どもに合った医療機関があるかどうかはチェックしてきたい項目です。

<東京23区で医療機関が充実している区ランキング>

順位 診療所・病院総数 病院 診療所
1 世田谷区 898 26 872
2 港 区 755 13 742
3 新宿区 635 15 620
4 大田区 620 28 592
5 練馬区 572 19 553
6 渋谷区 566 17 549
7 中央区 540 4 536
8 杉並区 511 20 491
9 千代田区 491 15 476
10 足立区 479 55 424

(参照:「東京都の統計」

病院や診療所の総数が一番多いのは世田谷区です。

具体的にどのような医療施設があるかを見ますと、たとえば、用賀駅と千歳船橋駅の間にある「関東中央病院」は、東京都がん診療連携協力病院の指定を受けた病院です。

様々な先進医療に取り組むと同時に、2015年には産婦人科も再開しました。

また、砧公園の近くにある「国立成育医療研究センター」は、日本で代表的な小児・周産期医療の専門病院です。

高度医療を行いながらも、病院内は機関車で遊ぶスペースや、子どもが楽しめるオブジェもあります。

不妊治療も行っており、地域の子育てを支えています。

さらに、安心して子育てをするためには、医療費助成制度も注目したいところ。

東京都は中学3年生まで医療費が無料だったり、認可外保育園の保育費や私立幼稚園の学費補助などの制度があったり、医療保障の仕組みが充実しています。

しかし、区によって充実度はわずかながらも差があります。

まず、千代田区はなんと高校3年生まで医療費の補助があります。

これは東京23区で唯一の制度です。

また、子どもが入院すると、食事代は基本的に自己負担になりますが、いくつかの区では入院中の食事補助制度があります。

世田谷区、港区、新宿区、大田区、練馬区、中央区、豊島区、品川区、江戸川区、目黒区、北区、台東区では食事代の補助があります。

北区は入院時のみ高校3年生まで食事代の補助を受けることができます

病気になることが多い幼少期に、医療費の補助を受けられると、家計も助かりますね。

1-4. 家賃や物価の相場

子育てしやすい環境に住みたいと思っていても、やはり家賃は気になりますよね。

家賃が安いエリアは、スーパーなどの物価も安い傾向があるので、家賃を抑えることは生活費をしっかり抑えることに繋がります。

<東京23区で家賃が安い区ランキング>

順位 家賃(万円)※2LDK・3K・3DKのマンション・アパート・一戸建ての相場
1 葛飾区 10.88
2 足立区 11.17
3 江戸川区 12.15
4 板橋区 13.07
5 練馬区 13.43
6 北区 16.1
7 荒川区 16.55
8 杉並区 16.64
9 大田区 17.07
10 墨田区 18.49
11 台東区 19.71
12 世田谷区 20.02
13 江東区 20.07
14 中野区 20.12
15 豊島区 21.68
16 文京区 22.49
17 品川区 26.07
18 中央区 26.25
19 目黒区 28.15
20 新宿区 29.81
21 千代田区 31.6
22 渋谷区 31.67
23 港区 36.12

(参照:ホームズ

家賃が安い区は、葛飾区、足立区、江戸川区と下町エリアが並びます。

反対に家賃が高い区は、港区、渋谷区、千代田区とオフィスも立ち並ぶ都心部が挙げられます。

東京23区で最も家賃の安い葛飾区は、埼玉県と千葉県にも隣接しているので、区外へのアクセスもよいことが特徴。

買い物環境も充実しており、亀有駅には127の専門店や映画館、イトーヨーカドーが入る「アリオ亀有」があります。

「赤ちゃん本舗」では妊娠期から幼児期までのグッズを揃えることができますし、「BREEZE」などのキッズアパレルブランドも充実しているので、家族でショッピングも楽しめますよ。

買い物環境も充実していながら、家賃も抑えられるので助かりますね。

1-5. 周辺情報(スーパーなど)

子育てをしていると、大きめのスーパーがあると便利です。

子どもがご機嫌で乗れるショッピングカートがあったり、ベビーカーでも買い物しやすかったり、衣料品や学用品も揃えられると本当に助かります。

このようなスーパーのことを「総合スーパー(GMS)」といいますが、東京23区でも多い区と少ない区の差は大きいのです。

<東京23区で総合スーパーが多い区ランキング>

順位 総合スーパーの数
1 練馬区 13
1 足立区 13
3 杉並区 9
3 板橋区 9
5 江東区 8
5 葛飾区 8
7 世田谷区 7
7 江戸川区 7
9 大田区 6
9 北区 6

(参照:全国スーパーマーケットマップ

総合スーパーが多いのは、練馬区、足立区、杉並区、板橋区となりました。

中央区や港区などの都心部では、総合スーパーは少なく、ミニスーパーが多くあります。

練馬区には、イオンや西友、業務スーパーなどのスーパーが充実しています。

また、練馬区の光が丘には区内最大規模の「光が丘IMA」があり、LIVIN(西友)やイオン、DAISO、さらに120もの飲食店を含む専門店が入っています。

子育て世代が多い団地の中にあり、よくファミリーで賑わっていますよ。

1-6. 公園、レジャー環境

子育てをしていると、週末は朝から公園!という方も多いのではないでしょうか。

子どもがのびのび安心して遊べる環境は、子どもの成長にとても大切です。

東京23区だと緑や公園が少ないのでは?と思う方もいますが、実は公園が充実している区も多いのです。

<東京23区で公園面積の大きい区ランキング>

順位 公園合計面積(m2) 公園数
1 江戸川区 7,698,038 475
2 江東区 4,312,117 308
3 足立区 3,248,351 516
4 世田谷区 2,882,820 561
5 大田区 2,785,198 557
6 練馬区 2,112,668 687
7 葛飾区 1,982,559 326
8 板橋区 1,953,345 358
9 千代田区 1,702,945 52
10 渋谷区 1,639,084 130

(参照:流店三昧

東京23区でダントツ公園面積が広いのは江戸川区です。

海が近い江戸川区には、代表的な公園「葛西臨海公園」があります。

JR京葉線「葛西臨海公園駅」から徒歩1分という便利な場所にあるにも関わらず、敷地内には芝生の広場や臨海水族園、磯遊びができるエリアや大観覧車なども。

駅からレンタサイクルを借りられるので、広大な敷地を家族で思う存分楽しむことができますよ。

臨海水族園は入場料が大人700円と安いので、雨の日のお出かけにも困りません。

また、江戸川区は水遊びができる公園が6つもあります。

近年猛暑が続き、せっかく公園があっても遊具が暑くて子どもを遊ばせられないということがありますよね。

都営新宿線「船堀駅」「一之江駅」からほど近くにある「一之江境川親水公園」には、夏場に水遊びができるじゃぶじゃぶ池が3箇所もあります。

魚や昆虫などの自然とも触れ合いながら、子どもがのびのび遊べる環境です。

1-7. 交通アクセス

交通アクセスが充実していることは子育て世帯にどんなメリットがあるのでしょう。

一つは、通勤時間が短縮でき、子どもと過ごす時間を増やせます。

共働きファミリーにとっては欠かせない条件になるでしょう。

もう一つは、子どもの進学の選択肢が増えることです。

子どもが小さいうちはピンときませんが、中学や高校、大学で電車通学をすることになったとき、交通アクセスが充実していれば学校の選択肢が増えたり、安全に通学ができたりするというメリットがあります。

東京23区であれば交通網は基本的に充実していますが、特に乗り入れ路線が多いのは以下の駅です。

<東京23区で乗り入れ路線が多い駅ランキング>

順位 駅名 路線数
1位 新宿駅 14本
2位 東京駅 12本
3位 渋谷駅 10本
4位 池袋駅 9本
5位 上野駅 8本
6位 新橋駅 7本
6位 日暮里駅 7本
6位 飯田橋駅 7本
9位 品川駅 6本
9位 四ツ谷駅 6本

(参照:Rooch

トップの新宿駅はなんと14路線も乗り入れているという結果に。

再開発が進んでいる渋谷駅も10駅が乗り入れています。

このような乗り入れの多い駅で家を借りるのは難しいですが、1本でこのような駅に行けるような路線ならば、どこに行くにも便利ですよ。

2. 共働きでも子育てしやすい環境

近年、共働きで子育てをしている世帯が増えています。

共働きの場合、子育て支援策の充実や保育園の入りやすさは必須項目。

共働きの子育てしやすい環境をチェックしてみましょう。

2-1. 子育て支援

東京都では、都全体で様々な子育て支援策を行っています。

たとえば、「ファミリーサポート事業」は、子育ての「援助を受けたい人」と「援助を行いたい人」が、地域で相互援助を行う取り組みです。

保育園の送迎や習い事の送迎、子どもの預かりなどを時間単位で依頼をすることができます。

他にも、「こども食堂」という取り組みがあります。

地域の子どもや保護者が気軽に立ち寄って、栄養バランスばっちりの食事を取りながら地域の人たちと交流ができる取り組みです。

仕事のあとに家族分の夕食を作るのは本当に大変なことです。

気軽に立ち寄れるので、地域センターやレストランなどで定期・不定期で開催されているので、近くで子ども食堂がないかチェックしてみてくださいね。

2-2. 子育て支援の手厚い自治体

東京都は子育て支援が比較的充実していると言われていますが、特に手厚い区はどこなのか気になりますよね。

独自の施策がある区をいくつかご紹介します。

①千代田区

次世代育成手当(16~18歳の子供一人につき5,000円/月)を支給

②世田谷区、杉並区

子育て応援券(1万円~2万円)を支給

子育てイベントや予防接種などで利用可能

③江戸川区

乳児育成手当(1万3,000円/月)を1歳になるまで支給

④葛飾区

三人乗り自転車購入費助成

⑤北区

親元近居助成(最大一世帯20万円)

⑥荒川区

ツインズサポート(多胎児を育てる家庭にタクシー利用料や一時保育料の補助)

区によって貰えるお金や応援券があることは知らなかった!という方も多いのではないでしょうか。

共働き家庭は保育園の送迎に自転車は必要なので、葛飾区の「三人乗り自転車購入費助成」は嬉しいですね。

2-3. 待機児童

東京23区は保育園激戦と聞いたことがあると思います。

保育園に入園ができない待機児童の数は、区によって大きな差があります。

どうしても保育園に入れたい共働きの方は、保育園に入りやすい区を選ぶのも重要です。

<東京23区の待機児童数ランキング>

順位 待機児童数
1 世田谷区 470
2 中央区 197
3 江戸川区 170
4 中野区 157
5 足立区 123
6 北区 119
7 大田区 116
8 板橋区 108
9 渋谷区 92
10 墨田区 83
11 台東区 79
12 目黒区 79
13 葛飾区 54
14 江東区 51
15 文京区 46
16 荒川区 45
17 豊島区 16
18 練馬区 14
19 品川区 12
20 千代田区 4
21 新宿区 2
22 港区 0
23 杉並区 0

(参照:東京都「都内の保育サービスの状況について」

待機児童が多いのは、ダントツで世田谷区という結果になりました。

一方、港区と杉並区は待機児童が0人。

共働き世帯が増えたことにより、保育園をたくさん増やしたためです。

保育園事情は大規模マンションの建築などにより変動するので、自分の指数で入ることができているか区役所でヒアリングしてみるのがおすすめです。

3. 教育環境

子育てにおいてやはり気になるのは教育環境。

子どもが通う学校の学力や、助成制度を確認しておきましょう。

3-1. 教育助成制度

東京都では、すべての区において認可外保育園の保育料補助や、私立幼稚園の学費補助を行っています。

認可保育園に入れず認可外保育園に通う場合、保育料は認可保育園よりも高くなるのが一般的です。

その差額を補助してくれる助成制度があるので、もし認可外保育園に決まっても安心です。

また、東京23区では区立の幼稚園が少なく、私立の幼稚園が多い傾向があります。

私立幼稚園は入園金や保育料が毎月発生するため、就園を支援するために、都では入園金や学費の補助を行っています。

助成金額や条件は区によって異なります。

3-2. 東京23区の教育ランキング

一概に学力=教育環境の良さとは言い切れませんが、ひとつのものさしになります。

東京都教育委員会では、小学5年生と中学2年生を対象に「児童・生徒の学力向上を図るための調査」を定期的に実施しています。

調査では区の学力偏差値を出しています。

<東京23区の学力偏差値ランキング>

順位 学力偏差値
1 文京区 72.7
2 千代田区 65.5
3 中央区 64.5
4 目黒区 62.8
5 世田谷区 62
6 港区 61.1
7 新宿区 60.4
8 杉並区 59.9
9 江東区 58.8
10 品川区 57.2

(参照:ダイヤモンド・オンライン「東京・小学校区「教育環境力」ランキング【学力偏差値トップ25】」

学力偏差値が高い区は、文京区、千代田区、中央区と並びました。

文京区は東京大学をはじめとする教育機関が多くあり、昔から「文教地区」と呼ばれています。

通学範囲が決められている国立小学校も複数あるため、区外から教育環境を求めて引っ越してくる人も多くいるのが特徴です。

4. 東京23区の子育てしやすい環境ランキングTOP3

  • 第1位:文京区
  • 第2位:練馬区
  • 第3位:杉並区

第1位は、治安もよく学力偏差値も1位の文京区です。

都内でありながら落ち着いた住宅街で子どもの教育をしっかりしていきたい方におすすめです。

第2位は、治安がよいのに家賃が安く、買い物周りも充実している練馬区です。

JR線は通っていないので少し時間はかかりますが、都営地下鉄大江戸線などで都心へのアクセスも良好です。

第3位は、保育園にも入りやすく子育て支援策も充実している杉並区です。

子育て応援券は子どもの習い事やイベント、予防接種などで使用できるので、家計も助かりますね。

5. 東京23区の子育てしやすい環境の選び方まとめ

子育てしやすい環境は、家庭ごとに理想が変わってきます。

東京23区ならどこも一緒と思っていても、実は貰えるお金や支援制度は区ごとに違いますよ。

緑あふれる環境で子育てをしたい方は公園が多い区、共働きでまずは保育園入園をめざしたい人は待機児童が少ない区など、自分の条件に合った区を探してみてくださいね。